スポーツくじに当せんすると税金がかかる?税金の種類別に解説
2022.12.01
スポーツくじは、サッカーの試合結果を対象としたくじで、高額当せんのチャンスがあるのが魅力です。
例えば、スポーツくじのひとつであるtotoでは最高1億円、キャリーオーバーが発生すれば最高5億円の当せん金を獲得できます。
とはいえ、高額当せんしても税金が多いのではと気になるかもしれません。実際に所得税の最高税率は45%で、もし当せん金に適用されるのであれば約半額は税金として納めることになってしまいます。
本記事では当せん金と税金についてわかりやすく解説するので、ぜひ疑問を解消してください。
目次
スポーツくじで高額当せんしたら、税金がかかる?
「スポーツくじで当せんしても、税金がかかって実際に受け取る金額は少ないのでは?」と考える方もいるでしょう。実際のところ、スポーツくじの当せん金は非課税で、全額そのまま受け取れます。
しかし、状況によっては税金が課せられることがあります。どのようなときに税金がかかるのか、税金の種類ごとに分けて見ていきましょう。
スポーツくじの当せん金に対して住民税と所得税はかからない
住民税と所得税は、原則として課税対象となる所得にかかる税金です。スポーツくじは非課税対象のため、住民税も所得税も課税されません。
例えば、課税所得額が4,000万円以上のときには所得税率は45%、住民税は課税所得額にかかわらず原則として10%(※)の税率が適用されるため、課税所得額が多いときは半額以上を税金として納めることになります。
また、2037年までは所得税額の2.1%を復興特別所得税として納めるため、さらに納税額は増えます。
しかし、スポーツくじの当せん金は非課税所得なので、当せん金が1億円であれば1億円をそのまま受け取ることが可能です。所得税と住民税、復興特別所得税のいずれの税金も発生しないため、もちろん確定申告の必要もありません。
(※)住民税は、課税所得額に対して10%の所得割に加えて、一律通常5,000円の均等割も課せられます。
課税対象になるのは何?
スポーツくじの当せん金は非課税所得ですが、くじや公営競技すべてが非課税となるのではありません。
例えば、競輪や競馬の払戻金、懸賞金は課税対象となり、一時所得として扱われます。一時所得に対しては、以下の計算式から課税対象額を求めます。
一時所得(課税対象額)
=(一時的に得た収入-収入を得るために支払った金額-50万円)×1/2
上記の一時所得(課税対象額)を給与所得など、ほかの所得と合算して、課税所得額全額を算出し、その金額に応じた所得税率で所得税を計算して納税します。また、所得税とは別個に住民税や復興特別所得税も課せられる点に注意が必要です。
なお、懸賞金付き預貯金の懸賞金も課税対象です。こちらは一時所得ではないため、分離課税となり、ほかの課税所得とは合算せずに独自に20.315%を納めることになります。
相続税と贈与税はかかることがある
スポーツくじの当せん金は非課税所得のため、当せん者本人のものとして扱う限りは課税対象になりません。しかし、当せん金を当せん者本人以外に渡すときは、相続税や贈与税の課税対象になるので注意しましょう。
例えば、スポーツくじの当せん金を全額使用せずに亡くなったときには、当せん金は相続財産の一部となり、配偶者や子どもなどの相続人が受け取ることになります。その場合は、相続した人が相続した金額などにより相続税を納付することになるため、当せん金が課税対象となります。
ただし、この場合も当せん者はすでに亡くなっているため、当せん者自身に納税義務が課せられるわけではありません。税金を納めるのは当せん金を受け取った相続人です。
また、当せん金の全額あるいは一部を家族などに配分するときは、当せん金は贈与税の課税対象になることがあるので注意が必要です。ただし、この場合も税金を支払うのは贈与を受けた側であり、当せんした本人に納税義務はありません。
なお、贈与をすると必ず贈与税が発生するのではありません。原則として、年間110万円を超える贈与を受け取ったときのみ贈与税を納付することになるため、他の贈与を受け取っていない人に110万円までの金額の当せん金を配分するときは、非課税での贈与が可能です。
本人と贈与を受ける人の関係によって贈与税率は変わる
贈与税額は、以下の計算式で求めます。
贈与税額=(贈与を受けた金額-110万円)×贈与税率-控除額(※)
贈与税の税率には一般税率と特例税率の2つの種類があります。特例税率とは、子や孫などの18歳以上の直系卑属に贈与するときに適用される税率です。特例税率で計算するほうが贈与税額は少なくなることがあります。
例えば、スポーツくじで高額当せんし、当せん金のうち1,000万円を子どもに贈与した場合と甥や姪に贈与した場合で考えてみましょう。子どもに贈与した場合は、特例税率が適用されます。以下の計算式から、贈与税額は177万円と求められます。
- (1,000万円-110万円)×30%-90万円=177万円
一方、甥や姪に贈与するときは一般税率が適用されます。以下の計算式から贈与税額は231万円となります。
- (1,000万円-110万円)×40%-125万円=231万円
このように、贈与する側とされる側の関係性によって贈与税額が変わることがあります。受け取る側の税負担についても考えてから、贈与をするようにしましょう。
※控除額は、適用される税率の種類と贈与を受けた金額によって異なります。
スポーツくじの税金についてわからない点は専門家に相談する
「相続や贈与に関しては、税金がかかわるため、複雑なことがあります。スポーツくじの当せん金を相続や贈与として配分しようと考えている場合は、税理士や弁護士などの専門家に相談しましょう。
スポーツくじの税金について正しく理解して楽しもう
スポーツくじの当せん金は非課税所得です。そのため、どんなに高額の当せん金を受け取ったときでも、住民税や所得税、復興特別所得税はかかりません。また、課税対象の所得ではないため、確定申告で当せん金について申告する必要もありません。
しかし、当せん金の全部あるいは一部を贈与するときや、使い切れずに亡くなり、相続財産の一部になったときは、受け取る側は贈与税や相続税を支払う必要が生じることもあります。
スポーツくじの当せん金の税金について正しく理解することで、より一層、スポーツくじを楽しみやすくなります。わからないことがあれば専門家に相談し、上手に当せん金を活用していきましょう。
監修者:新井 智美
プロフィール:
コンサルタントとして個人向け相談(資産運用・保険診断・税金相談・相続対策・家計診断・ローン・住宅購入のアドバイス)のほか、資産運用など上記相談内容にまつわるセミナー講師(企業向け・サークル、団体向け)をおこなうと同時に、金融メディアへの執筆および監修にも携わっている。現在年間300本以上の執筆及び監修をこなしており、これまでの執筆及び監修実績 は2,000本を超える。
資格情報: CFP®、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員